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幼少時に両親を事故で亡くし、物心ついた時から「ヒマワリ」という孤児院で日々を過ごす。そこで出会った錦山と由美、そして我が子のように世話をしてくれた風間とは、その頃から強い繋がりを持つ。中学卒業と同時に、その風間の導きで、東城会の最大勢力である“堂島組”へと入る。時が流れて1995年…桐生、27歳。既に堂島組の幹部にまで出世していた桐生は、桐生組の立ち上げを目前にしていた。だが全てが上手く行っていた桐生に、舎弟から一本の電話が入る。「兄貴、由美さんが堂島組長にさらわれたんです…!」 この電話が、彼のその後の人生を大きく変えてしまう。親友のため、愛する人間のため…桐生は人殺しの罪を被って、刑務所で生活する事になる。十年後、遂に仮出所の自由を得ようとした彼の元に、一通の手紙が届く。それは、恩人である風間からのものだった。桐生は風間の話を聞くために、再び街に戻ることを決意する。

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出所後、風間の言葉に従って由美を探す桐生の目の前に現れた謎の少女。
ちょっとした事件をきっかけに、桐生を信頼するようになった彼女は、
徐々に自分の素性を明らかにする。
だがそこには桐生が予想だにしなかった真実が待ち受けていた。

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桐生と孤児院で一緒に育った無二の親友。桐生と共に風間の導きで東城会直系・堂島組の門をくぐった錦山は、難病を抱える妹と渡世の間で苦しむ。出世をしていく桐生の背中を追いかけ、それでも上手く事が進まない。妹の手術、桐生との差、不条理な渡世、由美への想い… 
増大する悩みに苦しむ中、錦山の運命を変える事件が起こってしまう。だがそんな錦山の危機を救ってくれたのは、やはり親友である桐生だった。錦山の犯した罪を被った親友は、その後刑務所へ。
だが十年後、桐生の出所を待っていた錦山は大きな変貌を遂げていた。

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孤児院「ヒマワリ」で過ごした桐生と錦山の親友。年上の桐生と錦山に、妹のように可愛がられ、また風間にも父親のような寵愛を受ける。桐生と錦山が東城会に入った後、自らも風間の援助を受けて孤児院を出て、短大を卒業し、独立する。そして二人が拠点とする街で立身する為、上京。街でも有名な店「セレナ」でホステスとして働き始める。「セレナ」のママである麗奈との信頼関係も築き、二人の親友と風間の近くで順風満帆な生活を送っていた由美。1995年9月30日も、いつものように親友達と楽しい時間を過ごしていた。
だが翌日、彼女は突然の襲撃を受けてさらわれてしまう。相手は渡世の大物である堂島宗兵だった。由美は強引に幸せを奪われようとしていた。しかしそこに二人の男が駆けつける。一人は錦山、そしてもう一人は桐生だった。 二人の親友によって救われた由美は、一命をとりとめる。だがその直後、彼女は病院から忽然と姿を消してしまうのだった…

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極道である傍ら、孤児院「ヒマワリ」を援助し、桐生や錦山といった孤児の面倒をみる。桐生と錦山を自らの組織、東城会に導いたのもこの男。左足に古傷があり、常に杖をついて行動している。義理深く穏健な性格から、多くの信頼と人望を集める極道の中の極道。1995年、風間は自らが極道として育て上げた桐生を一本立ちさせようと考え、桐生もその期待に応えるべく重責を果たす。だがそんな理想が叶うと思った矢先、桐生が起こした事件によって、自らの渡世も激変してしまう。
十年後、風間は桐生の出所を待ち続けていた。そして桐生の仮釈放前日、彼に一通の手紙を送るのだった。全ては、東城会、そしてもう一つ“ある事”を託すために…

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繁華街の中心ともいえる場所に立つ雑居ビルの2F、そこに「セレナ」という店がある。その店の経営者であり、ママをしているのが麗奈だった。桐生、錦山とは、彼等が店に通うようになってから十数年の付き合い。数年前にホステスとして店で働くようになった由美とは、親友とも言える間柄になっていた。だがそんな彼女の目の前から、一瞬にして大切な友人が消え去る。
桐生が逮捕され、由美は忽然と姿を消した。そして錦山は変貌の一途をたどる。
それから十年が経過した2005年。出所した桐生が店に向うと、まだそこに、友人達の帰りを待つ麗奈の姿があるのだった。